この世の外へ クラブ進駐軍
戦後間もない東京を舞台に軍楽隊出身のテナーサックス奏者・広岡(萩原)他5名からなる
バンド「ラッキーストライカーズ」が進駐軍の米兵相手に演奏を繰り広げ、
自分たちの人生を切り開いていこうとするストーリー。
映画の中でやはり気になるのは演奏シーン。
最初に出てくる演奏シーンなど、ストーリー前半では吹き替えしているはずなのに
演奏はヘタクソです(笑 実際、米兵からもボロクソに言われるし。
演奏される曲はやはり戦後('47年頃)なのでモダン以前の曲が中心で。
その後いろいろなエピソードをはさみつつ、
吹き替えの演奏も段々にうまくなっていく様子がわかります。
中でも白人米兵からもらった譜面をもとに演奏した「All The Things You Are」は印象的でした。
音楽が絡んでくるとどうしても演奏シーンばかりに目がいってしまうけど、
戦時中に押し入れに隠れてレコードを聴いたり、
ラジオから流れてくる曲を必死になって覚える姿は、
現在の日本の音楽環境と比べるととても今が恵まれているんだなと思えるし、
僕のサックスの師匠から昔聞かされた話なんかがダブって映画とは別のところで感慨深かった。
(ちなみに師匠はこの映画に出てくるバンドマンとほぼ同世代なはずです)
米軍基地内でバドワイザーが70円するのに
(この価格だって今の貨幣価値と比べたらかなり高いはず)
バンド4人に支払われるギャラが1000円以上というのもいかに当時音楽が儲かる職業で、
経験の若者がこの職に飛びつくのもうなずけた。
映画自体はまぁまぁです。
中に織り交ぜられたエピソードの多さが余計な感じがしたのと、
所々に出てくる「戦争」というテーマがあまりにリアリティに欠けるもので
戦争の悲惨さや、当時の生活のありようがもう少しわかりやすく提示されていれば、
もう少し迫力のあるシーンがあれば……
それでも僕はそれなりに楽しめました。
■参照URL
「この世の外へ クラブ進駐軍」公式ホームページ
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コメント
そうそうこの映画も演奏につっこめればもっと面白かったはず。
意外にこれよりも昔のクレイジーキャッツの映画の方が音楽
Jazzしてませんか?
それと大野雄二が手がけたという実写ものが見たかったりします。
投稿: Black Pepper | 2004.09.09 00:15